真昼ハ想フ。

日々をちょっとだけうまく泳ぐ為のキヅキを

顔も匂いも背丈も知らないひいひいおばあちゃん

先日、祖父母が墓参りに行きたいということで運転手役を買って出たわけだが、行先はいつものお墓ではなく、祖父の里にあるお墓。

 

お墓まいりにそこへ赴くのは初めて。

 

 僕は嘗て祖父の里でビーグル犬のジョンと運命的な出会いをし、その犬を欲しがりまくり、おじさん(祖父の兄)に渋々、

 

「ジョンに子供ができたらやるき。待っちょけ。」

 

と言わしめ、実際その何年後か後、すっかり忘れたころ律義に連絡をくれたおじさんからビーグル犬”ラッキー”を授かった男である。

 

ラッキーな男である。

 

まあそんなこんなで思い入れが全くない土地という訳ではない。

 

それから幾年か経った今ではそのおじさんもあっちの世界にいってしまってる。まあ、多分あの人は元気だ。

 

 

 

着いてみると、ジョンに惚れたあの時と同じような光景が飛び込んできた。

 

そして、けたたましい犬の鳴き声もあの時と同じ。

 

凄まじい既視感でタイムスリップしたのかなとあるはずもないことを思ったりした。

 

猟犬であるビーグルはとにかく声がよく通るんだ。

 

実際はジョンのおじさんの息子にあたるおじさんが…ややこしいのでジョンおじさんJr.が一人暮らしは寂しからと5匹の犬(恐らくビーグルではない)と暮らしていたのだった。

 

ジョンおじさんJr.への挨拶も程々に墓参りへ向かった。

足腰が弱い祖父は墓地下でジョンおじさんJr.と話ながら待っていた。

 

 

祖母と僕と弟で墓前に手を合わせた。

 

ふと、傍らの墓誌に目をやると、僕のひいひいおばあちゃんに当たる人の名前が目に飛び込んできた。

 

最近なんにでも運命感じちゃう僕はこれまたビビッと来た。

 

 

どん底に沈んだ時にも絶対僕を見捨てなかったものの名がそこにあった。

 

 

そう僕が顔も匂いも背丈も知らないひいひいおばあちゃんの名前は

 

 

 

 

 

 

 

といった。

 

 

気づけば犬たちは静まり返っていた。

 

 

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路上ミュージシャンの女の子を泣かせてしまった話

路上ライブを聴くことが時々ある

 

自分がやることは最近はあまりない

 

先日の高知X-pt.のライブの打ち上げ終わりのこと。

 

ほろ酔いで仲間たちと宿泊先に移動していると、アーケード街の暗闇に紛れてギターを片付けている路上ミュージシャンの女の人と遭遇した

 

「一曲だけ聞かせてください!」

 

と、もう帰ろうとしている彼女に僕らがお願いするとちょっと恥ずかしそうにしまいかけのギターを引っ張り出して彼女は歌いだした。

 

聴きながらなんか悩んでるなぁ。辛そうだなと。

 

そんな風な印象を持った。

 

僕もそんな時期があった。

 

 

なんか無性に一曲歌いたくなったのでギターを貸してほしいと伝えると快く貸してくれた。

 

OLさんとバンドマン を歌った。割とジャカジャカやる曲。

 

で、どういう流れかもう一曲落ち着いた曲を歌った。多分僕が勝手に歌いだした。。。

 

「夕暮れ時、二人の影、三番ホームで」

 

をぽろぽろと歌った。

 

真っ暗なアーケードにはつま弾くギターの音も、語るように歌う声もよく響いて少し歌がうまくなった気がした。

 

真っ暗闇に夕日が見えた気がしたくらいだ。

 

歌っている時終始目を瞑っていたのだけれど、路上ミュージシャンの彼女とわかれたあと、ドラマーのヤチヲくんから

「あのコ隣で歌聴きながらボロボロ泣いきよったで。」

と聞かされた。

 

彼女にとってタイムリーな内容だったのか、単に心が弱っていただけなのかわからないけど、なんとなく歌ってよかったなぁと染み染み思った。

 

歌で泣けるなんていいじゃないか。

 

そういやライブ帰りに歌を思い出して泣いたって言ってくれた人もいた。

 

 

 

 

高知は日本で一番桜の開花が早かったらしい。

 

 

彼女の春もすぐそこまで来てると願ってやまない。

 

 

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トラにもウマにも走っては勝たれへん。

 

高知(地元)で歌を歌うということは特別だ。

 

やりますよ!と声高に言ってしまうと昔から知ってる人や親族も来てくれたりする。(ありがたやありがたや)

 

僕のあんなことやこんなことまで知ってる人の見てる前で歌うことになる訳だ。

 

例えるなら親の前で下ネタを言うような小っ恥ずかしさがあるのだ。言ったことないけど。

 

そして中途半端なことはできないという怖さもある。まあそれはどのライブでも同じなんだけど。

 

殊更地元ではしょぼいライブやってしまうと、すぐこうなる訳だ。

 

「もう戻って来いよ。高知に。(永遠に)」

 

と。

 

とまあ一年くらい前まではそんな思考でいたものだから、高知では割とひっそりとライブをしていたように思う。

 

 

 

だがこのままではだめだ。ダイスケくん。まひるくんも。

 

 

トラウマというほどの大袈裟なものではないけれど、トラウマからは逃げても逃げても逃げきれないものと相場は決まっている。

 

トラにもウマにも走っては勝たれへん。

 

じゃあどうするか。

 

 

立ち止まって振り返ってカウンターパンチをかましてやるしかないのだ。

 

 

えっ?虎にも馬にもパンチなんて効かない?

 

(漢字にするとより強そう…漢字すごい)

 

 

ずたずたにされちゃうのがオチだ?

 

 

何とか走って逃げて、奇跡的に道端に転がってた車に乗り込んで逃げおおせるって?

 

 

 

馬鹿たれ。くそったれ。

 

どこ見てんねん。ぼけ。あほんだら。

 

 

 

 

カウンターパンチじゃ倒せなくても今の僕には一本の槍があるじゃないか。

 

 

 

多分それはなんだって倒せるし、なんだって守れる。

 

 

それを再確認できた。

 

ほんとにありがとう。みんな。

 

 

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